新築住宅にはベランダやバルコニーを付けることが一般的でしたが、近年では設置しないという方が増えています。
ドラム式洗濯機の普及やランドリールームを設置する方が増えており、ベランダやバルコニーを使わないご家庭が増加傾向です。
これから新築住宅を建てるにあたって、ベランダやバルコニーは必要か不要か迷っている方もいらっしゃるかもしれません。
ベランダやバルコニーがあることのメリットとデメリットをしっかり理解したうえで判断しましょう。
今回は、ベランダやバルコニーの必要性についてご紹介します。
目次
ベランダ・バルコニーとは?
ベランダとはお家から外に張り出した屋根のあるスペースのことを言い、バルコニーとはお家から外に張り出した屋根のない2階以上にあるスペースのことを言います。
ベランダとバルコニーの大きな違いは「屋根」があるかどうかで、屋根があるのがベランダ、屋根が無いのがバルコニーと呼ばれます。
ベランダやバルコニーの役割は、洗濯物を干す、室外機の設置、ゴミの一時保管、リラックススペース、趣味のためのスペースなどがあり、生活を便利で豊かなものにしてくれます。
また、災害時などに避難場所や避難経路として利用することもあります。
ベランダ・バルコニーのメリット・デメリット
ベランダやバルコニーを設置することで、受けられるメリット、受けてしまうデメリットがあります。
どのようなメリットとデメリットがあるのか確認していきましょう。
ベランダ・バルコニーのメリット
・日当たりを確保できる
庭がない住宅の場合、日当たりの良いベランダやバルコニーがあることで、洗濯物や布団などを干すことができます。
近年では、乾燥機付き洗濯機、浴室乾燥機、布団乾燥機なども普及していますが、ベランダやバルコニーに干すことによって殺菌・防カビ効果も期待でき電気代もかかりません。
また、隣接するお部屋への採光性も上がり、ちょっとしたガーデニングや家庭菜園のほか、子どもの遊び場として活用できる点も魅力です。
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・日射遮蔽・雨除けになる
住宅の設計手法「パッシブデザイン」という考え方に、日射遮蔽・日射取得があります。
夏の日差しを遮ることで室温の上昇を抑え、冬の日差しを取り入れ蓄熱暖房として活用することで、消費エネルギーを削減するという考え方です。
ベランダやバルコニーが庇の役割を果たすことで、日射をコントロールすることができます。
また、ベランダやバルコニーを玄関ポーチや窓の雨除けとして活用できる点もメリットになります。
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・延べ床面積に算入されないスペース
外壁や屋根などで囲われていないバルコニーは、外壁から奥行2mまでは延べ床面積に含まれないというルールがあるため、少しでも面積を有効活用したい場合、バルコニーを設置することでお家を広く感じさせることができるようになります。
屋根のあるベランダやインナーバルコニー、外部からの視線を遮るため格子を取り付けたバルコニーなどは、延べ床面積に算入される可能性があるため注意が必要です。
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ベランダ・バルコニーのデメリット
・コストがかかる
ベランダやバルコニーの設置には、外壁工事や防水対策、排水設備などの建築コストがかかります。
雨風や紫外線に常に晒されるため劣化が早く、10年前後でメンテナンス工事も必要になります。
ベランダの外壁材や柵の素材やデザインによっては、さらに費用が増す可能性もあります。
・維持管理が必要
ベランダやバルコニーには、風で飛ばされてきたゴミや砂埃、鳥のフン、虫の死骸などが落ちたりすることがあり、排水溝が詰まる原因にもなるため、お掃除が必要になります。
排水口が詰まったり防水対策がしっかりされていないと、水漏れや雨漏りの原因になるため注意しましょう。
また、ベランダやバルコニーは害虫の侵入経路となることが多くあります。
・防犯上のリスクがある
ベランダやバルコニーは、プライバシーを守るために周囲からの視線を遮ることができるように造られることが多く、不審者の侵入経路になる可能性があることに注意が必要です。
人感センサーライトや防犯カメラを設置したり、隙間などからベランダやバルコニー内が見えるように防犯対策が必要になるほか、周囲に足場になりそうなものや植樹ができないといったデメリットが発生します。
ベランダ・バルコニーは必要?
建築コストや維持管理の負担を軽くするためにベランダやバルコニーを設置しないという方が増えています。
また、ベランダやバルコニーを設置した人の中でも、設置しなければよかったという方が一定数おり、ベランダやバルコニーを設置することのメリットよりも、デメリットの方が大きいと感じる方が増加傾向です。
ベランダが必要か不要かは、ご家族の人数やライフスタイル、間取りなどを考えて判断しましょう。
ベランダ・バルコニーなし住宅をオススメする人
・室内干しをする
共働きで日中に洗濯物を干すことが少ない、花粉や黄砂、PM2.5などが気になるため外干ししないといった方はベランダやバルコニーよりも、ランドリールームやサンルームを設置する方がメリットが大きいでしょう。
都心部などでは外干しすることにより得られるメリットよりもデメリットの方が大きいことも多く、お日様による効果が得にくくなります。
ランドリールームやサンルームは室内干しができるだけでなく、家事動線が良くなり洗濯の手間が軽減できるため、時間の有効活用ができるようになります。
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・庭のスペースに余裕がある
お庭の広さを確保できる場合は、ベランダやバルコニーがいらなくなる可能性が高くなります。
日当たりを確保しやすいためお庭に洗濯物を干すことができ、ガーデニングや家庭菜園、子どもの遊び場としても活用できるため、ベランダやバルコニーを設置するメリットが少なくなります。
・布団乾燥機
天日干しで乾いたふかふかのお布団はふっくらと柔らかさが増して気持ちよく眠れます。
お布団を天日干しする理由は乾燥と殺菌ですが、ダニは50℃以上の熱を30分以上当て続けないと効果がなく、表面が熱くなっていても涼しい裏側に逃げられてしまうため、天日干しでの消毒やダニ退治はあまり効果がありません。
お布団の乾燥と殺菌をメインに考える場合は布団乾燥機を使う方が確実で、移動の手間もなくなります。
天日干ししたい場合は、窓のある外壁に布団干しバーを設置するといった方法もあります。
・シンプルな外観デザイン
ベランダやバルコニーがないお家の外観は凹凸が少なく、シンプルな印象になります。
特に総二階のお家の場合は、シンプルすぎて高級感や重厚感が少なくなってしまう可能性があるため、屋根の形状や外壁材、外構などを工夫する必要があるかもしれません。
シンプルなのでご自分好みにアレンジしやすいというメリットもあります。
・コストと手間を減らしたい
ベランダやバルコニーの設置やメンテナンスにコストがかかり、維持管理にも手間がかかります。
ベランダやバルコニーの一般的な設置費用は約50~100万円程度と言われており、5~10年程度でメンテナンスも必要です。
設置しないことでその分のコストを他の場所に充てることが可能で、お掃除や害虫駆除などの煩わしい手間も減らすことができます。
まとめ
ベランダやバルコニーの最も大きい役割が干し場としての機能です。
室内干しや機械乾燥などをうまく活用できる場合は、ベランダやバルコニーがなくても問題なく生活できるでしょう。
ただ、干し場としての機能以外にも役割があり、それぞれのご家庭の立地や事情などは違うため、ベランダやバルコニーが必要か不要かはライフスタイルに合わせて判断しましょう。
じっくりと考えて、後悔のない家づくりを一緒に目指しましょう。
大栄建設では、健康をコンセプトに国産木材や自然素材にこだわり、全棟耐震等級3、長期優良住宅、パッシブデザイン、高気密・高断熱・省エネ住宅の設計・施工を手掛けており、『完全自由設計の注文住宅』、規格住宅『TRETTIO』、建て替えよりもコストを抑えた『フルリノベーション』をご用意しております。
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