縦すべり出し窓を選んで後悔?メリット・デメリットを理解して適切な配置をしよう!

縦すべり出し窓

縦すべり出し窓とは?

縦すべり出し窓は、窓枠の縦の軸を中心にして、外側に向かって開くタイプの窓です。
窓の取手やハンドル部分をつかんで回すことで、窓枠の上下にある溝に沿って、窓全体が垂直にスライドするように開きます。
外側に開くことで、外壁を伝う風をつかまえて取り込みやすい構造になっており、開く角度を変えることで通風量を調整できます。
回転軸が垂直方向の縦すべり出し窓に対し、水平方向になっている窓を横すべり出し窓といいます。
90度まで開くことが可能で、窓の面積に対して最も通風効率が良い窓です。

縦すべり出し窓

縦すべり出し窓のメリット

通風量

縦すべり出し窓は、室内に多くの風を取り込む構造になっています。
窓を外側に開くことで、住宅と住宅の間を通り抜ける風を効率よくキャッチしやすくなり、引き違い窓に比べて通風量が10〜22倍も確保できるという実験結果があります。
これにより、効果的な換気が可能となり、特に夏場の湿気が多い季節やバスルーム、トイレ、キッチンなど、積極的に換気をしたい場所に最適です。
縦すべり出し窓は換気効率が良く、快適な室内環境を維持しやすい窓です。

省スペース

縦すべり出し窓は、窓枠の縦の軸を中心に外側に向かって開くため、室内スペースを有効に活用することができます。
家具や装飾品を窓の近くに配置しても邪魔になりにくく、限られたスペースや狭い場所でも設置が容易で、お部屋のレイアウトを自由に計画することが可能です。
とくにキッチンやバスルームなどの狭くなりやすい場所に適しており、省スペース性に優れているため、他の窓に比べてコストパフォーマンスが高く、効率的に空間を利用できる設計となっています。

気密性が高い

縦すべり出し窓は、気密性が高く、室内の快適性を向上させる設計が特徴です。
窓を閉めるとしっかりと窓枠に密着し、隙間風や外部の騒音を効果的に遮断します。
この高い気密性によって冷暖房効率が向上し、エネルギー消費を抑えられるため、光熱費の削減にもつながります。
また、防塵効果も期待でき、室内を清潔に保ちやすく快適で省エネな住宅環境が実現します。

メンテナンス性

縦すべり出し窓は、メンテナンスがしやすい窓です。
窓枠の上下にある溝に沿ってスライドする構造になっているため、窓を全開にすると両側に隙間ができ、内側からでも外側のガラスや窓枠の清掃がしやすくなっています。
また、シンプルな構造のため、部品の交換や修理も簡単に行うことができるため、日常的な清掃やメンテナンスが容易です。

窓の設置工事

縦すべり出し窓のデメリット

強風リスク

縦すべり出し窓は、通風量が増えますが、強風が直接窓に当たることで、騒音が発生したり窓自体が損傷したりするリスクがあります。
とくに大きな窓は風圧を受けやすいため、強風時には閉めておく方が良いでしょう。
また、強風によって窓が急に閉まる可能性もあり、ケガをする危険性もあります。
そのため、強風が多い地域や高層階での使用には注意が必要です。

網戸や格子を外側につけられない

縦すべり出し窓は外側に開くため、網戸を外側に取り付けることができません。
窓枠に固定するタイプの収納式のプリーツ網戸やロール網戸など室内側に取り付ける必要があります。
窓を開け閉めする際は、オペレーターハンドルタイプでない限り、網戸を一旦開けなければならないため、室内に虫などが入りやすくなる可能性があります。
また、防犯用の格子を窓の外側に設置することができないため、防犯性が低下することも考慮する必要があります。

外側にスペースが必要

縦すべり出し窓は外側に開く構造のため、窓の開閉に必要なスペースを外側に確保する必要があります。
とくに、他の建物や柵に近い住宅や狭小地の住宅などは、窓を開ける際に外側のスペースが十分に確保しづらい場合があります。
また、人通りのある場所に窓が面している場合、窓を開けることが制限されることもあります。
そのため、窓の設置を計画する際は、周囲の環境や窓の外側の利用可能なスペースを十分に考慮することが重要です。

安全面での懸念点がある

縦すべり出し窓は大きく開くことができるため、安全面での懸念点があります。
とくに子供やペットがいるご家庭では、窓から転落する危険性があるため注意が必要です。
また、窓を開けたままにすると、外部からの侵入リスクがあるため、防犯対策が必要になります。
例えば、窓にストッパーを設置して大きく開かないようにしたり、取り付け位置を高くしたり、人が通れないサイズにするなどでリスクを軽減する工夫が求められます。

雨に弱い

縦すべり出し窓は横に開くため、軒や庇など雨を防いでくれるものがない場合は雨が室内に入りやすくなります。
とくに風雨の強い日には、窓を少し開けただけでも室内に雨が吹き込む可能性があり、室内側のガラス面や床まで濡れてしまう可能性があるため注意が必要です。
雨の日の換気に制限が生じる可能性があるため、適切な軒や庇の設置や天候に応じた窓の管理が必要になります。

窓

まとめ

縦すべり出し窓は通風性や省スペース性、気密性の高さなどの魅力がありますが、強風時や雨の際の不安もあるため、設置場所によっては使いづらい窓となることがあります。
縦すべり出し窓を選ぶ際は、天候に注意し、適切な位置への設置や対策を講じることが重要です。
また、網戸の種類やカーテン、ロールスクリーン、シェードなどの設置も事前に検討しておくことで後悔を避けることができます。
縦すべり出し窓のメリットを最大限に活かしつつ、快適な住環境を実現しましょう。


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