快適な睡眠を得るためには、寝具や室温、空気質だけでなく、照明の使い方も重要な要素です。
適切な照明を選び、正しく活用することで、睡眠の質を大幅に向上させることができます。
特に、夜間の照明は体内時計に影響を与え、リラックスを促す役割を果たします。
今回は、良質な眠りをもたらすための照明の選び方や工夫についてご紹介します。
照明を見直して、健康的で深い眠りを手に入れましょう。
良質な睡眠とは?
睡眠は健康の増進・維持に不可欠な休養活動です。
睡眠の質が低下することで、さまざまな疾患の発症リスクが増加し、寿命短縮リスクが高まることが報告されています。
良質な睡眠とは、量と質のバランスが保たれ、心身の健康を促す睡眠のことをいいます。
良質な睡眠
・十分な睡眠時間が確保されていること
・途中で目覚めることが少なく、安定した睡眠が得られること
・規則正しい睡眠・覚醒のリズムが維持されていること
・適切な睡眠時間で、目覚めたときに休養感があること
睡眠の質は生活習慣に大きく影響を受けます。
寝る直前に交感神経を刺激する行動(飲酒、喫煙、熱いお風呂など)は脳を覚醒させ、睡眠の質を低下させます。
また、スマートフォンやパソコンの強い光を見続けることも同様に、睡眠の質に悪影響を与えるとされています。
適切な睡眠時間は個人差があるものの、成人では6~8時間が理想的とされています。
特に、7時間前後の睡眠を取っている方が、生活習慣病やうつ病の発症リスクが最も低く、この範囲を外れるとリスクが増加する傾向があります。
子どもは大人よりも長い睡眠時間を必要とし、高齢になるほど必要な睡眠時間は短くなるため、年齢や個人差を考慮して睡眠の量を考える必要があります。
ただし、睡眠時間が長い場合の発症リスクには、もともと健康状態が良くないために睡眠時間が長くなっているケースが含まれている可能性がある点に注意が必要です。
照明が睡眠の質に影響を与える
照明は、睡眠の質に大きな影響を与える重要な要素です。
照明の色や明るさは、人間の体内時計に作用し、特に波長が短い青白い光を浴びると、睡眠に必要なメラトニンの分泌が抑制されることが知られています。
そのため、昼と夜で適切な照明を使い分け、光環境を整えることが、良質な睡眠を得るための鍵となります。
最適な照明の色温度
照明の色温度は、メラトニンの分泌に影響を与えます。
色温度とは、光源が発する光の色をケルビン(K)という単位で表す尺度です。
朝日や夕日の色温度は約2,000K、昼間の太陽光は約6,500Kとされています。
一般的に、色温度が低い電球色(約3,000K)やそれ以下の照明はリラックス効果があり、睡眠に適しているとされています。
逆に、色温度が高い昼光色(約6,500K)やそれ以上の照明は覚醒を促し、寝つきを悪くする可能性があるため、夜間には避けることが理想的です。
夕方以降は暖色系の照明を使用することで、メラトニンの分泌が促進され、自然な眠気が引き起こされやすくなります。
照明の明るさと睡眠の関係
照明の明るさも睡眠の質に深く関わります。
就寝時はできるだけ暗い環境が望ましいですが、暗すぎると不安を感じることがあります。
一方で、明るすぎると体内時計が乱れ、睡眠の質が低下する可能性が高まるため、照明をつけたまま寝る場合は、眠りを妨げない程度の低い照度で、間接照明や調光機能を使って調整すると良いでしょう。
夜中に目が覚めやすい場合やトイレに行った後に眠れなくなる場合は、照明を変えてみたり、暗くする工夫をしてみてください。
また、外部からの光を遮るために遮光カーテンを利用することも効果的です。
間接照明のおすすめの使い方
間接照明は、リラックスできる環境を整え、睡眠に良い影響を与える効果があります。
光が直接目に入ることを避け、天井や壁に反射させることで、柔らかく広がる間接光が穏やかな空間を作り出します。
特に夜間には、暖色系の間接照明を使用することで、体内時計が整い、快適な入眠をサポートします。
また、調光機能付きの間接照明を選ぶことで、時間帯に合わせた光の強さを調整でき、快適な寝室環境を実現できます。
睡眠の質を高める照明スケジュール
睡眠の質を高めるためには、照明のスケジュール管理も効果的です。
人は睡眠中も光を感じており、この特性を活かして、徐々に光を取り入れることでスムーズな目覚めが可能です。
朝、明るい光を浴びることで体内時計がリセットされ、夜には自然な眠気が訪れやすくなります。
しかし、季節や地域によって日の出時間が異なり、起床前に強い光を浴びることで睡眠障害を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
ウェイクアップライトを活用して、設定した時間から徐々にお部屋を明るくする方法も一つの選択肢です。
ブルーライトが睡眠に与える影響
ブルーライトは、睡眠・覚醒などの生体リズムを調整するメラトニンの生成を抑制するため、睡眠に悪影響を与えます。
特に就寝前にブルーライトを浴びると、体内時計が乱れ、寝つきが悪くなる可能性があるため、スマートフォンやパソコンの使用を控えるか、夜間モードを利用することが推奨されています。
ただし、スマートフォンが発するブルーライトの量は比較的少なく、睡眠への影響は限定的であるとの研究結果があります。
また、ブルーライトを避けるために暖色系の光を使用した場合でも、光の強さによっては睡眠に悪影響を与える可能性があることが報告されています。
そのため、睡眠の質を高めるには、ブルーライトに限らず、強い光を発する電子機器の使用を控えたり、低照度の照明を使用することが効果的です。
まとめ
照明は、快適な睡眠をサポートするために重要な役割を果たします。
適切な照明を選び、寝る前にリラックスできる光環境を整えることで、睡眠の質が向上します。
夕方以降に低照度の柔らかい光や間接照明を取り入れることで、体内時計を整え、リラックスした状態で眠りにつくことが可能です。
睡眠環境の改善は、健康的で充実した日々を送るための第一歩のため、今日から照明を工夫して、良質な睡眠を手に入れましょう。
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